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カイガラムシの生態 |
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カイガラムシは昆虫の仲間で、セミ、アブラムシ、カメムシ、ウンカやヨコバイの親戚です。東京農大河合教授のカイガラムシ図鑑(絶版)には約400種が掲載されておりますが、
その倍はいるだろうと推測しておられます。
分類上は半翅目に属し、糸の様な口吻を葉や茎に差し込み、樹液を吸っています。細い絹糸の様な口吻が堅い幹を通して篩菅まで刺しこまれるのが不思議です。
篩管には光合成で作られた糖等の栄養分が多く、取りすぎて糖尿病にならないようにと考えているのか、種類によってはアブラムシのように甘い汁(蜜滴、甘露、
ハニィーデューなどと呼ばれます)を排泄します。葉や幹についたこの蜜滴にすす病菌が繁殖して、葉や幹が黒く汚れます。
一方、マルカイガラムシの仲間では、余った栄養分と排泄物を全部体を覆う介殻に変えてしまうのか、蜜滴どころか糞もしません。ゼロエミッションの見本です。
なんと、口と肛門がつながっていないとの報告もあります。これではウンチをする筈がありません。
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半翅目は分類上は不完全変態に属し、セミ、アブラムシ、カメムシなどの様に蛹の期間はないことになっていますが、カイガラムシの雄には蛹の期間があります。
つまり完全変態です。成虫になると1対(2枚)の翅が有りますが、雌成虫には翅がありません。
雌はマルカイガラムシのように、移動できるのは生まれたあと定着までの数時間のみで、あとは足もなくなるものや、一方、コナカイガラムシのように一生を通じ移動できるのもあります。
カイガラムシには雄の見つかっていない種が多数あり、これらの虫は夏のアブラムシのように雌だけで増殖する単為生殖を行うとされています。
つまり、幼虫1匹だけが風で飛ばされて来て定着しても、そこで増殖が可能です。
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卵はコナカイガラムシのように綿のような卵嚢の中に産まれるもの、ヒラタカタカイガラムシやヤノネカイガラムシのように成虫の体内で完全に発育を終え産まれるとすぐに孵化するもの、
ロウムシのように体の下に徐々に産まれるものがあります。
産卵を終えたロウムシの虫体が紙のように薄くなって、ロウの内側に付いているのを見ると、雌成虫が産卵して死亡したと見るより、
雌成虫が数千の卵に変身したと考えたくなります。
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孵化した直後の多くは小判型ですが、発育途中ではおいしそうなお菓子に似たのもあります(写真1・2)。と言っても1mm前後なので点にしか見えませんが。
雄ではこの時期に綿状の分泌物(写真3)を吹きその中で過ごすのもあります。
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| 写真1 |
写真2 |
写真3 |
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| イセリヤカイガラムシ |
ツノロウムシ |
ヤノネカイガラムシ |
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虫の脱皮殻は通常は捨てられますが、マルカイガラムシやロウムシでは後生大事に付けており、それで齢が分かるのもあります。齢が分かってどうするの?
とお考えかもしれませんが、防除の目安としては重要です。
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雄には前蛹と蛹の期間があります。前蛹になると触角とペニスが現れます。蛹になるとこれらがもっと明確になり、翅の基が外に現れます。
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雄成虫は普通の昆虫の様に翅がありますが、後翅は退化しており、ハエのように2枚です。口は退化しており餌も取らず、交尾して死ぬだけです。
その目的のためか腹部の殆どが2個の精巣(睾丸)で占められ、長いペニスがあります。
(雌成虫の形はカイガラムシの姿・形を見る)
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