ゴキブリは江戸時代から「あぶら虫」とか「ごきかぶり」とか呼ばれていました(図6・7)。
前者は今でも呼び名に使われ、植物にむらがる「アブラムシ」の仲間とよく混同されます。また後者は「御器噛り」の意味で、
ゴキブリが食器をなめることに由来する分かりやすい名です。
ところが、明治時代にある先生が教科書の中で「ゴキブリ」と“誤記”したばかりに、これが踏襲されて意味不明な名になってしまいました。
また、野口雨情の「こがね虫は金持ちだ」に始まる有名な童謡の“コガネムシ”は、金属光沢のある甲虫のコガネムシではなく、
チャバネゴキブリだという説があります。雨情の故郷の茨城県ではゴキブリを方言でキガネムシと呼んでいたことに加えて、その体系が小判に似ていること、
雌は腹端に昔の財布(きんちゃく)のような形の卵の袋(卵鞘)をつけて持ち歩くことなど、この童謡の主人公としてふさわしいかもしれません(下:図8)。
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