おくのむらさき

 左朝:おくのむらさき、
中央:朝紫、右:あきたこまち
着色酒




解 説 おくのむらさきは、東北地方に適し、短稈で収量性の高い粳の紫黒米品種である。朝紫と同じく、各種の栄養分、機能性成分をもち、 着色酒や着色米飯の素材に適する。
来歴・特性 来 歴:東北糯149/奥羽331号(奥羽368号)、平成12年品種登録出願、水稲農林367号。

特 性:粳の紫黒米、朝紫と同程度の早生の晩、短稈、耐倒伏性強、耐冷性弱、穂発芽性やや難。


表1 おくのむらさきの特性(東北農試/大曲市、平成7年〜11年の平均値)
品種名 出穂期
(月日)
成熟期
(月日)
稈 長
(cm)
穂 長
(cm)
穂 数
(本/m2
収 量
(kg/a)
千粒重
 (g)
品 質
奥羽368号
朝 紫
あきたこまち
8.6
8.7
8.6
9.20
9.18
9.16
77
85
83
21.8
18.1
18.6
242
312
316
48.8
43.9
51.5
24.3
19.9
22.8
紫黒米粳
紫黒米糯
上下


栽培上の留意点 いもち病真性抵抗性遺伝子型はPi-bを持つと推定され、葉いもちと穂いもちの圃場抵抗性は不明であり、 白葉枯病はやや弱、耐冷性は弱であることに注意する。
加工上の留意点 玄米は果皮が濃い紫色、完全に精米すると一般の粳品種と同じ白米となり、食味は中上で佳良である。 精米は五分搗きが着色米飯の素材として適当である。
加工評価例 ・食味はひとめぼれより劣り、キヨニシキ並みであるが、外層のアントシアニン系色素を活かした着色米飯になる。

・紫黒米でありながら大粒のうるち種なので、辛口の酒になり、醸造適性に優れている。色素を活用した菓子、薬膳、漬け物等への利用。


表2 米粒・成分・物性などの解析例
試 料 米粒等の特徴 成分特性 炊飯特性 糊化特性 米飯物性 その他の特徴
長さ
mm
長さ/幅 アミロース
膨張容積
cm3
ブレークダウン
RVU
最終粘度
RVU
硬さ
kgf
粘り
kgf
外観
おくのむらさき
ササニシキ
5.86
5.10
2.02
1.76
19.6
20.7
40.2
38.4
129
193
261
265
2.74
2.59
0.67
0.69
外層が紫黒色

注)各特性値は、栽培年次の気象条件、土壌、施肥条件等によって変動するので複数年次の平均値で示してある。


目 次] [本文にもどる